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湿った風が吹いてきて、緑の向こうには水が降っている
風上に向かって歩いてゆくと、
「立ち入り禁止」の立て札があった。
古ぼけて寂しく、かわいらしいそれに口をつけて、しばらく見つめた後
また歩いた。
まとわりつく空気の湿り気が 気持ちよかった。
小屋と庭がみえたの。
苔のむした、これまた古ぼけた門を見つけた。
細く小さく、形だけのそれを、
わざわざ くぐることもなかったんだけど、
インチキで教えてもらった呪文を使いたくなった
・・・
簡単に開いた。
景色が少しだけ変わり、庭の中には
申し訳程度に立てられている柵に囲まれた小屋があって、
窓越しに
何か見える
あたりを何度となくうろつき、撫でまわして
低い柵は舐めたら溶けた
甘かった
窓をのぞいてみると、
中にあったのは
ただのビー球みたいだった。
大したものじゃないけど、
傷一つ無い、綺麗なままで
大事にしてたんだな。
誰にもあげたくなかったんかな
誰かがもらいにくるんかな
誰かにあげるのかな
オイラにはくれないのかな
ほしいな ほしいな
しばらく、あたりの草むらを踏みにじり、
夜になって
あのコが寝ている隙に、汚れた靴で入り込んで
一個目はキスをして
二個目は頬張った
最後に頭をいたずらに撫でると
しばらくして、
寝ていたはずの あのコが泣いていた
急いで身を翻し
持っていた物を投げ捨てたら
こわれた
逃げながら考えた
壊れたからもう あれは誰かにはあげられないだろう
そういえば、まだ何個か残っていたような・・・
途中まで結構必死に逃げてきて、
途中からは昨日と変わらない 平然とした表情で歩き、
振り返ると
ああ、ずいぶん荒れたなぁ
いったい誰が直すんだ?
泣いている彼女をもう一度見たい
昨日捨てた、その破片をオイラにくれよ
ついでに、残ってるものも全部くれよ
逃げてきた道を引き返し、
立て札に口をつけ
門を開け
柵を踏み倒し
そして庭に座った
オイラ、だらしなく口を開け、片目は潰れて腐ってる
触ったら手が臭うから、君は触りたくないんだろう
だったら俺はここに座り込んだままだ。
君を訪れる人達は俺に石を投げつけ
飛び散った俺の血と体液が君の心を汚すでしょう。
いつか誰か
やさしい人が
腐った肉をどこかに捨てて
庭も綺麗に直し
頑丈な塀と門を築き、君を守るでしょう
何事も無かったようにするでしょう
でも壊れたものは壊れたままですね。
腐った肉は土に染み込むんですよね。
ああ、なんてことだ。
どうしてこんなになってしまったんだろうな。
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心はじじい
体はオヤジ
もーだめだー!
限界じゃー!!!
・・・なんとかせねば。